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コトラーを読む

マーケティング原理が分厚くて読めない人用の本。


多分元となった本だったらあっという間に挫折してただろうけど、この文庫本ならさくっと読めた。その代わり、どの程度簡潔にまとめられているかはわからないけど。ただわかりやすさという点ではなかなかよかった。特に要点を抑えて箇条書きしているところが多いので、マーケティングのポケットリファレンス的に使えるのではないかと思う。

せっかくなのでいくつか学びを書いておこう。

マーケティングの基本概念

  • 生産概念
  • 製品概念
  • 販売概念
  • マーケティング概念
  • 社会的マーケティング概念


生活者の行動を読む視点

  • 日常品か非日常品か
  • 品質やサービス、利便性や商品が提供されるスピード
  • 現在購入しているかしていないか、過去に購入していないか?
  • 使う量は多いか少ないか
  • そのブランドに愛着を持っているかいないか
  • 商品に関心を持つか、欲しいと思っているか
  • 商品に対して関心があるか無いか
  • 友好的か敵対的か


顧客にアピールする優位性を選ぶ基準

  • 重要度
  • 他社や他製品との違い
  • 優位度
  • 伝達力
  • 先取り性
  • 入手できる度合い
  • 収益性


新製品の成功率を上げる条件

  • 製品が高品質であること
  • 顧客にとって利用価値が高いこと
  • 新しいブランド価値を提供できること
  • 製品コンセプトが明確なこと
  • 社内と役員の協力が得られていること
  • 新製品開発の社内プロセスが円滑に進むこと
  • 市場と顧客を十分に理解していること
  • 顧客に対して他社にない優れた価値を提供できること


価格設定で企業が犯す三つの過ち

  • コスト算出だけで価格設定を行う
  • 収益だけを考えて価格設定を行う
  • 価格設定に弾力性が無い


これらは本書のほんの一部で、本にはこれらの要点が書かれている。こういった要点をまとめたものを流し読みするだけでも良いかもしれない。どんな内容がどの本にあったかさえ覚えておけば後でただし、こういったノウハウはとても凝縮されてはいるのだけど、なぜこうなのか?という Know what が少ないように感じる。だからこれだけの内容を持っておきながらぐっと来るところが少ないんじゃないか。内容は濃厚なはずなのに薄味風味みたいな。

重要なことは書いてあるのだけど、文字の羅列で面白みがまるで抜け落ちてるようなこの感じ、教科書みたいだ。先生が「ここは重要ですよ!」って言っても伝わらないの。重要な物事は伝えるけどなぜ重要かは伝えない。面白いエピソードの一つでもあれば大きく変わるのに。これのおかげでこんなに変わりました!とか、こんなすげー誕生秘話があるんだよ!とか、これがなかったあれもそれも無いんだよ!みたいな少しでも衝撃、というか感動を与えられれば「おもしれーっ!」って思って記憶に残るんじゃないかな。


しかしそれにしても、マーケティングの本ってどこかズレを感じると思ってたけどやっと原因がわかった。製品がモノか、情報かの違いだ。FREE本的に言うとビットかアトムかで大きく違うのではないかと思う。インターネットのおかげでモノの流通速度は速くなったけど、それ以上に情報の流通速度の方が速い。俺みたいにソフトウェアを作る側だと今までのマーケティングがじれったく感じてしまうのだよ。コトラーが間違ったことを言っているというわけではなくて、スピードの差があるからトロく見えてしまう。


あんまり好きなタイプの本では無いけど、おそらくいつか読み返す。

コトラーを読む (日経文庫)

コトラーを読む (日経文庫)