20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義

20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義

20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義

  • 作者: ティナ・シーリグ,Tina Seelig,高遠裕子
  • 出版社/メーカー: 阪急コミュニケーションズ
  • 発売日: 2010/03/10
  • メディア: ハードカバー
  • 購入: 474人 クリック: 17,342回
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タイトルに偽り無し。確かに20歳までに知っておきたかった。

困ったことを、困ったことと思わない。「解決できるチャンスがある」と考える。
そうするとほら、困ったことが楽しいことに変わる。
そして金銭を稼ぐチャンスが生まれるわけだ。


上記のように、本書は世の中が面白さに満ち溢れていることを全く説教臭さ無しに語っている。
困ったことは身の回りに嫌というほど溢れているのに、解決策を考えようとしないのは何故か?メディチインパクトと異口同音、「自分は無理」と意識のバリアを作っているのだ。

本書の紹介文にもある、5ドルを元手にできるだけお金を増やすにはどうすればよいか?という問いに対して多くの人は「5ドルを用いる」という意識のバリアに囚われてしまう。しかしよく周りを見わたせば5ドルを必要とせずとも困っている人はいて、元手が0ドルでも金銭を得ることはできるのだ。

ポケットに収まった財布に対してすら不満を抱く人が多い。しかも悪いことに(あるいは良いことに)、その不満に気づかないことも多い。つまりあらゆる所に改善できる箇所があるのだ。不満を言って終わりにするのではない。世の中が不満だらけでも絶望しない。不満は改善できる。自分の力で世の中を変えることすらできるかも知れない。しかも、楽しくね。


本書が言わんとすることを一言で言い表すことは難しい。いくつか挙げるなら「不満を楽しむ」「チャンスはありふれている」「ルールは破れる」「ルールは創れる」ということだろう。それができるなら人生は楽しさに満ち溢れる。


本書には人生を謳歌する道具が収まっている。この道具を使えるかどうかはまた別問題で、どうやって道具を使えるようになるのかは別の議論をせねばならない。モノとして存在する道具は人間工学的に人間側に合わせることでよりよい道具へと変化するが、モノとして存在しない道具をどうやって人間が使い易くするかは経験則から成る精神論しか存在しない。

それでも本書は「使い易い道具」のほうである。高度なことを行うためには高度な道具が必要であるが、その道具を使うときは専門的に特化した時の話だ。生き方や考え方は誰しもが未熟で、使い易い道具の存在を知らないということが往々にしてあると思うのだ。


これほど魅力的な道具、存在を知るだけで人生が華やかになる。

20歳の時に知りたかったけど、大きくオーバーする前に知ることができて良かった。